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お久しぶりです~~~!!!
前回の投稿から、優に半年以上経ってしまいました。
皆様、お元気でお過ごしですか?

また暑い夏がやってまいりまして、わたくし表面のコーティングが溶け出しております。
28度を超えると溶け出します(笑)
でも痩せない。
不思議ですね。

そんなことより今回は、久々中の久々の、小説の投稿にやってまいりました!
大宮です。

記録を見てみたら、なんと2年ほど前に書き始めた作品でした。
いまだに完成はしておりませんが(;´・ω・)
不定期で上げてみようと思いまして。

お楽しみいただけると幸いです。

タイトルもそれっぽくしてみたのですが、和物です。
江戸時代の吉原遊郭を舞台にしております。
難しいところに手を出してしまったものです。
一応年代とか、吉原内の暮らしとか、調べてはおります。
調べることが多くて、調べても分からないことも多くて・・・。
調べた上で、そもそも遊女が男だし、史実にはめ込めない箇所も多いので
思い切って捏造している箇所も多々あります。

新選組も出てきます。
私自身、新選組は大好きで、昔に色々小説も文献系も読んだり調べたりしてました。
それでもものすごく捏造してあります!
歴史が好きで史実と違う物語はムリ、という方にはお勧めいたしません。
色々に寛容でお暇な方が、それでもいいよとおっしゃっていただけるのなら
『続きを読む』から.+゜ヽ(o`・∀・´)ノ.+゜ドウゾ!!
◆・.。*†*。.・◆・.。*†*。.・◆・.。*†*。.・◆・.。*†*。.・◆


ちりーん、ちりーんと鈴が鳴る。
灯篭に火が灯り、不夜城の如く更けぬ夜の帳が降りる。
さあ。今宵も恋の駆け引き遊びと洒落込もうじゃないか。

・・・なぁんてね。格好いいこと言ってはみたが、所詮は花魁なんてみんな同じさ。
男も、女も。色を売って花代を稼ぐ。それだけのことだろ。
惚れた腫れたで腹はふくれねぇし、ましてひと月いち日だって年季の縮まることもねぇのさ。

***

ここは吉原。
言わずと知れた、お江戸のご公儀公認の色街だ。
吉原に店を構える遊郭は、大見世であれば江戸市中にも広くその名を知られている。
例えば大戸屋、船津屋、泉屋・・・
江戸の裕福な男たちは大枚はたいて吉原の粋を楽しみに来ようとするし、女たちは遊女の流行を真似したりする。
だから大見世の花魁ともなれば、それこそご公儀のお役人を相手にしなくちゃならないこともあるから芸事にはもちろん秀でているし、時勢のあれこれにも通じていなくちゃならない。
女性の流行の最先端を行くにも日々の精進が欠かせなくて、当然、廃れた柄で裾がほつれたような着物を着ているなんて、みっともないことがあっちゃならない。
ただ綺麗な着物を着て、悠然と煙管で煙をくゆらせているだけじゃない。大変なんだよ、花魁ってのは。
・・・なんて、それは大見世の花魁のハナシで、たいして大きくもねぇこの見世の、花魁でもねぇわっちには、関わりのねぇことでございんす。

「あれ、かず也(かずなり)兄さん、昼見世に出てたんじゃなかったの?」
「んぁ?んん・・・昼見世なんてかったるくてやってらんねぇよ。」
「またそんなこと言って・・・女将に叱られるよ。翔る(かける)兄さんだって昼見世に出るのに。」
「ふん、サボる度胸がないだけさ。」

オレの名は、かず也。
この吉原においては、先に出てきた大見世となんかは比べ物にならないくらいごく普通の見世の、遊男(あそびな)だ。
こう見えても一応、禿立ちなんだぜ。まだ花魁にはなれないけど。
とは言っても、あっちは女花魁で、こっちは男花魁だ。もともと比べるべくもないんだけどさ。
オレが生まれるずぅっと前までは、女と男で別の場所で色街を作って商売をしていたみたいなんだけど、何代か前の公方様の時代に、女も男も色を売る商売だし、非合法で闇に紛れて法外な値段で商売されるよりずっと健全だってことで一緒くたにされて、この吉原に仲良く軒を並べることになったらしい。
吉原生まれ、吉原育ちのオレには、そんな歴史のことなんてこれっぽっちも関係のないことだけどね。
それに今では女を買う気で吉原に来て、知らないで男花魁の見世に入って衆道に目覚める、なんてことも珍しい話じゃない。
ましてウチは、中身は男なんだけど姿形は絢爛な衣装を纏って、髪も結い上げかんざしを刺し、女の格好をして見世に出るっていう様式だし。
つまり、色気さえあれば今の世の中女も男も関係ない、っていうのがウチの女将の持論でさ。
加えて近頃じゃ、京の都でその名を轟かせた新選組が江戸へ来るって噂でもちきりで、一介の田舎侍たちがご公儀のお抱えになって羽振りがいいらしいってことを聞きかじってきただけで、嵐士屋の花魁にも昼見世に出させるんだから、あの人の金への執着は半端ないよ。

「また折檻されても知らないよ。」
「うるせぇよ、あっちへ行ってな、まさ紀。」

まさ紀は嵐士屋に数多くいる局遊男(つぼねあそびな)の一人だ。ここ嵐士屋に来た時にはすでに歳がいってたから禿にはなれないし、でも器量は良かったからすぐ客がつくだろうってんで、大部屋に入れられていた。
借金のかたにされ売られて来て、これからずぅっとその借金を身体で返済していかなきゃならないってのに、まさ紀はここへ来た次の日からはもう泣くこともなく、いつもにこにこ笑っている。だから女将にも楼主にも、この見世の筆頭花魁である翔る兄さんにもなぜか可愛がられているからか、まさ紀は屈託もないが遠慮もない。

「かず也!昼見世にも出ないで何やってるんだい?!」
まさ紀が去ってしばらくすると、こっから仲之町の大通りまで聞こえそうな大声で怒鳴りながら、女将が階段をどすどすと音を立てて二階へ上がって来るのが聞こえてきた。
はぁ~・・・まさ紀のやつ、よりによって女将にチクりやがったな。
パンッ!といっそ小気味いい程の音を立てながら襖を開け放って、部屋の入り口で仁王立ちしている女将を振り返りながら眉間に寄った皺を消し、オレは泣きそうな声で言った。
「違うんだよ、化粧がさ、上手くできなくて・・・こんなんじゃ見世に出られないよ・・・」
「またお前はそんなこと言って・・・どれ見せてごらん。」

女将はさ。基本、優しいんだよね。
金には執着するけれど姉御肌な気性が勝って、こうして縋りつかれるとそれ以上強くは言えない人なの。
オレは胸の内では舌を出しながら、「ん。」と顎を突き出し目を閉じて、女将に化粧をしてもらった。
昼見世なんて、どうせ冷やかしか田舎侍くらいしか来ないんだから、こうしている内に時間が潰れればいいんだ。
「ほらできた。どうせ遣手があんたや翔るには客を回さないんだから、看板代わりに見世にいっといで。」
「はぁい。」

オレが、長いことここ嵐士屋の筆頭花魁だった紀夜川(きよかわ)兄さんについていてよかったなと思うのは、こんな時。
紀夜川兄さんは禿として下についたオレに、怖くもなかったが優しくもなかった。
ただ宛がわれたから、仕方なく養っていただけ。それはオレも知っていたし、だからオレもあいつは好きじゃなかった。
ただし、男を虜にする手練手管はすごかった。それだけは認める。
それで間夫に本気で惚れられて、部屋中血で真っ赤に染め上げるほどの心中騒ぎをして死んじまった。
それがなければあの人は、今でもまだウチの筆頭花魁だったかも知れない。それくらい引く手数多の花魁兄さんだったんだ。

その日の客の好みに合わせて、縋りついて泣いて見せたり、時には高飛車にあしらったり。
天真爛漫に客と一緒に馬鹿みたいになってはしゃいだり、そうかと思うとさっきまでの兄さんとはまるっきり別人の顔して、しっとりと睦み合う相手もいた。
一体どれが本当の紀夜川兄さんかなんてオレには最後まで分からなかったほど、自分を変幻自在にできる人だった。

そしてオレはそんな兄さんの下に何年もついてやり方を見てきたし、そのやり方はオレにも合ってるんだろう。
鬼のようだった女将に最後には猫なで声を出させるくらいのことは、オレにだってできる。
「あんただってちょいとシナ作って潤んだ目で見上げてさ、『またお会いしとうございんす』なんて蚊の鳴くような声で言やぁ、潤る羽(うるは)くらい売れっ妓になれるんだから、頑張んな。」
そう言って、喋る速さと同じくらいせかせかと部屋を出ていった女将の背中に、オレは思いっきり舌を出した。

確かに潤る羽は、もしかしたら今ウチで一番人気があるかも知れない遊男だ。稼ぎで言ったらそりゃあ翔る兄さんには敵わないだろうけど、潤る羽目当てで来る客の数を比べれば、翔る兄さんを上回るかも知れない。
オレより年は一つ下だけどオレと同じ禿立ち、物凄い器量よしだっていうのはオレから見たって分かる。
しかも彼は、噂が噂を呼んで放っといたって客が見に来るような容姿だけに満足することはなく、どうしたら新規の客を掴めるか、その客がどうすれば長く通ってくれるか考えて手練手管で客を虜にする。
オレたちはそれで客に惚れさせて、何度も足繁く、それこそ金蔵の金が尽きるまで通ってもらってなんぼの遊男だけどさ・・・。
オレには真似できねえなぁ・・・。


――――――――――――――――――――――――――――――

 

吉原に、陰間茶屋(男の子が男性客を取る店)は同居しておりません。
また、遊女が子供を産んでそのまま廓で育てた、という例も、稀なケースだったようです。



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2017.07.23 Sun l 大宮 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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