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「太陽と、月のあいだ。」
更新いたします。
一つ前のお話はコチラ→『太陽と、月のあいだ。-73-』



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海軍の牢獄から助け出されて、しばらくぶりにシリウス号の上で平穏無事に過ごしていたある日。
船で幽霊騒ぎが起こった。
幽霊と言っても、オレは生まれてから今までそんなもの見たことないし、アレがそうだってはっきり言い切れる自信はない。
ましてや、船倉のアレを見たのなんて一瞬のことだったし、もしかしたら他の何かかもしれない・・・なんて。
幽霊だとは認めたくない一心で必死に誤魔化そうとしていたのに。

「幽霊だろうな。」
ってシンさんが、あっさりときっぱりと、言い切った。



***



「言うなよ、シン!」
ハヤテさんが間髪入れずに、オレが心で思っていたのと同じことを言ってくれた。
「ハッ、バカが。はっきりさせなきゃ話が前に進まねえだろうが。」
「そうだけどさ!幽霊が今もおれたちの下にいるなんて、考えただけでおっかねえだろうが!それに・・・アレがもしトワだったら、お前に退治できんのかよ!」
「何を・・・?!」
ガタン、バタンと、二人は椅子を蹴倒して立ち上がった。今にも取っ組み合って喧嘩を始めそうな勢いだ。
「ちょっと、二人とも・・・!」
ソウシさんが二人を制止しようとするのが聞こえたが、考えるよりも早く身体が動いていた。
だって、シンさんは懐に手を伸ばそうとしているし、ハヤテさんも腰の剣の柄に手を掛けようとしている。
それが見えたから、二人の間に座っていたオレは慌てて立ち上がり、割って入ってそれを制した。

「ダメです!落ち着いて下さい!今ここでお二人が傷つけあってどうするんですか!・・・争ったらダメです・・・!」
生意気かな、って思ったけど、でもオレにもこのくらい言う権利はあるだろう。
だって、もしアレが本当に幽霊だったとして、シンさんの優秀な頭脳とハヤテさんの向う見ずな勇気を失ったら、対処方法が見つからないよ。
少なくともオレには、アレを説得したり退治したりする頭脳も勇気もない。
だから必死で、二人がオレを挟んでバチバチと火花でも散らしそうな勢いで睨み合いをするのに耐えていた。
それを見かねたのか、
「そうだね。ミナトくんの言う通りだ。さあ、二人とも落ち着いて、対策を考えよう。」
と口を挟んでくれたのはソウシさんだ。

「・・・まぁ、ドクターがそう言うなら。」
と、オレの肩を掴んでいた手に、グッと一瞬力を入れて先に離れたのはハヤテさんだった。
「うん。いい子だね。」
ソウシさんも、ハヤテさんが大人しく椅子に腰かけたのを見て安堵の溜息をもらす。
はぁ・・・良かった。
どういう理由であれ、仲間同士が傷つけあうなんてこと、あったらダメだもんな。
オレも、自分のしたことに少しは意味があったのかと思うとホッとして、息をついた。
すると、オレの頭の上から声が降って来た。
「・・・本気なワケがないじゃないですか、ハヤテ相手に。・・・で、お前はいつまでそうやって、俺にしがみついているんだ?」
「え?」

そう言われてハッと我に帰ると、いつかみたいに目の前にシンさんの上着のボタンがあった。
まさか、と思って振り仰ぐ。
そこには、本気で呆れているシンさんの顔があった。
無我夢中で間に入ったからわからなかったけど、オレ、シンさんに抱き付く形で止めに入っちゃったんだ・・・。

「ご、ごめんなさい。」
ぎくしゃくと、機械人形のようにシンさんから離れた。
シンさんは倒れた椅子を起こしながら文献のページをめくり、でも今度はまたみんなの方を向いて座った。
「お前は、夢中になると周りが見えなくなるんだな。前に、ここの掃除を任せた時もそうだった。まったく、危なっかしすぎる。俺たちが本気で武器を抜いてたら、お前、死んでいたんだぞ。」
「・・・ごめんなさい。だってオレ・・・二人が傷つけあうのなんて見たくなかったから・・・」
オレのしたことにも意味があったのかな、なんて思った矢先、結局シンさんに叱られてしゅんと俯いてしまう。
けどそこに、意外な人が助け舟を出してくれた。
「いや、お前は悪くない。悪いのは、この二人だ。」
「ナギさん・・・」
「ちぇー。ナギ兄はぜってぇおれの味方してくんねぇ。」
「お前がいちいち悪いからだ。もう黙れ。」
「へいへい。」
今度はハヤテさんがくるりと身体の向きを変えて長い脚で椅子を跨ぎ、背もたれに抱き付く形で外の方を向いてしまった。
ハヤテさんがナギさんのこと、『ナギ兄』と呼んで慕っているせいもあるだろう、この二人は本当の兄弟のようだ。

「さあ、ミナトくんも掛けて?シンも、心配なら心配と、素直に言わないと伝わらないよ。」
「フン、俺がいつこいつのことを心配だなんて言いました?」
「ふふふ。『ハヤテ相手に本気にならない』って自分で言ったくせに、ね?」
発言の矛盾を突かれて、だけど何も言い返せなくて、シンさんも頬杖をついて顔を背けた。
ソウシさんにかかると、シンさんも子供みたい。
でもよかった。なんとかこの場は収まりそうだ。
オレも安心して椅子に腰かけた。

「素直じゃないんだから・・・。さて、本題に戻ろう。アレが幽霊かそうじゃないかということについてだけれども、十中八九幽霊ということで間違いないと思うんだけど、どうかな?」
ソウシさんが仕切り直して、話が進みだした。
アレの正体について、誰も異存がなさそうだ。
シンさんも、さっきから一心にめくっていた文献のページから顔を上げていった。
「あり得ないことじゃないみたいです。」
みんなに見せるようにこちらを向けて開いたページには、過去に何度も、時代を超えてさまざまな船が目撃した幽霊船のことが書かれている。
ソウシさんも頷いて、先に進める。
「これまでに見たことがある人はいる?」
再び文献に没頭しているシンさん以外、全員首を横に振る。
「私は昔、船長と他の海賊団にいた頃に、それらしき影を見たことがある。」
「えー!マジで?!知らなかった!どんなの?!」
オレも驚いたけど、ハヤテさんはもっと驚いて勢いよく振り向いた。
「うん。それをこれから話すよ?」
オレたちは固唾を飲んで、ソウシさんの言葉の続きを待った。


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2015.09.28 Mon l 恋に落ちた海賊王 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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