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コンバンハーヾ(・∀・`o)ノ))
毎日暑いですが、お元気でお過ごしですか?

本日も当サイトへお越しいただき、誠にありがとうございますm(__)m

梅雨が明けてからというもの、ホントに毎日暑くて、バテておりました。
熱中症にはどなた様もお気を付け下さいませm(__)m

そんなこんなで、一週間サボった大宮です。
大宮が腐ってて18禁です。
ご理解いただける方のみお進み頂ければと思います。
前話はこちら→「9.未来を映す鏡」



◆・.。*†*。.・◆・.。*†*。.・◆・.。*†*。.・◆・.。*†*。.・◆
Side O



この部屋に迷い込んでから、世の中には『脱出ゲーム』というものが存在して、ただ脱出することを楽しむ人たちがいるっていうことを初めて知ったけど、ちょっとだけそれが分かるような気がしてきた。
見つけたヒントが次、次って繋がると、面白いんだ。
だからって、ここから出られたら自分でもやってみるかって言ったら・・・多分やらないと思うけど。

もし今ここにいるのがおれ一人だったら、一体今頃どうしてたかな。いずれ誰かが探しに来るだろ、って、寝ちゃってたかもしれないな。
ニノと一緒だから、こんなことも面白いなんて思えるんだろうね。
ここから出て、ニノが『一緒にやってみる?』って言ったら、もしかしたらやってみるかも。
・・・一回だけだけど。

***

何重にも巻かれてた針金を外して、ようやくクローゼットが開いた。
普通だったら洋服とかが入ってるところだ、クローゼットって。
この部屋がホントに脱出ゲームなんだなって思うのは、こんな風に誰かの部屋っぽくベッドがあったりテレビがあったりしてるのに、棚にはなんにも入ってない時。
ここまで割と苦労してきたのに、やっと開けたクローゼットに入っていたのは・・・

「・・・なんなんだ?これ。」
アレみたい、と例えようがない物だった。
直径1センチくらい、長さ20センチくらいの木の棒。
よく見ると端には穴が開いていて、ここにひもでも通せばどこかにぶら下げておけそうだ。
でも、ツボ押しするには細すぎるし、箸の片割れだとしたら太すぎる。

「棒・・・だね。」
ニノも、それを手にして困ったような顔で見つめている。
ここにあるものが、きっと水槽の中の鍵につながるものなんだろう、って思ってた。
試しに水槽のガラスの外側にくっつけて、棒の端っこに鍵がくるように並べてみるけれど、反対の端が水面を出ない。
これを使っても、手が水の中に入っちゃって感電しちゃう、ってことだ。
万事休す、ってヤツかな。

「んぁ~~~、わっかんねぇ!どういうことなんだ!」
やたら大きい声を出しながらニノがベッドに座ったから、おれもまた隣に腰かけた。
なんか・・・疲れてきちゃった。
出口が見えなくて・・・いや、赤いドアという出口は最初からずうっと見えてるけど・・・。
そんなこと一人で考えてたら、面白くなって笑えてきた。
「もー、なに笑ってんの。おかしいとこなんてないよ。」
「いや、ちょっと・・・ごめん。」
「リーダーも、ちょっとは考えてよぉ・・・」
ニノは、蚊の鳴くような声で文句を言いながら、項垂れて髪の毛をぐしゃぐしゃとかき混ぜた。
あーあ、だいぶ煮詰まってるな。
ゲームで謎解きに行き詰った時は、たいていセーブして『もうやめた』って言ってゲーム自体はいったんやめちゃうけど、頭の中ではずっと考えてるもんね。
でもこの脱出ゲームは、セーブして一回やめて続きはまたここから、っていうわけにはいかない。
おれは、ずっと手に持っていた針金をもてあそびながら、なんて声を掛けようかとも思い浮かばずにしばらくぼーっとしていた。
それで、ふと手元の針金に目をやると、気が付いたら魚の形になってた。
いや、そうしたのはおれなんだけど・・・
「ニノ!棒貸して!」
「えっ?」
分かったよ。どうやってあの鍵をとるのか。

棒の端っこに、ひもでも通せるような穴が開いてたはずだ。
おれは針金の端をその穴に通し、枕の上に置いていたペンチで棒から外れないように巻きつけた。
手慰みに作った魚の形は崩して真っ直ぐにする。そして反対の端を、くるんと巻き上げる。
まるで釣り針みたいに。
そう。この棒と針金でできたのは、釣竿。これで鍵を釣るんだ。
これなら、手に持つところは木だから針金の部分を電気の流れる水の中に入れても感電することはない。

「なるほどね!リーダー、さすが。伊達に船から落ちるほど釣りしてないね!」
「船から落ちるは余計でしょ。」
さっそく出来上がった釣竿の先端を水槽の中に入れる。
鍵の、キーホルダーをつけるような穴の所を目がけて針を動かすけど、なかなかうまくいかない。
「・・・あのさリーダー、金魚すくいは得意だけどヨーヨー釣りは苦手だったでしょ。」
「なんで分かるの?」
「見てれば分かるわ。」
「釣りが趣味なんだけどな。」
「知ってるけど!」

くふふ、ってニノは手の甲を口元に当てて、あっちを向いて笑う。
なんか腑に落ちないけど、まぁニノが笑ったからいいか。
「貸して。オレがやる。」
「ん。」
「リーダーはさ、手先は器用だけど、まずこっちからアタックして穴の角度を変えて引っかけやすくしてやろうとか、そういう駆け引きできないもんね。」
「駆け引き?なんでこんなもんに駆け引きが必要なんだよ。」
「あなたには必要ないよ。」

見てて。そう言ってニノは、鍵から少し離れたところの砂利を上からつつき始めた。
そんなことしたら鍵が埋まって行っちゃわないか心配になったけど、むしろ砂利に押されてちょっとずつ上がって行く。ざくざくと小気味いい音を立ててそれを繰り返すと、ちょうど穴の所が砂利の表面に飛び出た。
それを下からひょいっと針金の釣り針ですくい上げる。
「ほら、取れた!」
ね?って鍵を顔の横に掲げて、ニノは口の両端をきゅっと持ち上げドヤ顔をして見せた。
・・・カワイイ。胸の奥がきゅんきゅん鳴る。
今すぐこの場で抱きしめたいけど、結局隠し撮りされてるのかどうなのかまだ分かってないからそれもできない。

「早くここから出よう。」
そんで、あんな暗い倉庫の片隅じゃなくて、こんなわざとらしい誰かの部屋みたいなところじゃなくて。
誰にも邪魔されないところでゆっくり抱き合いたい。

「うん。」
そんなおれの心の声なんて聞こえるはずもないニノは、おれの言葉に素直に頷いて赤いドアに向かった。


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2015.07.24 Fri l 大宮 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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