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いらっしゃいませ、こんばんはm(__)m
本日も当サイトへお越しいただき、誠にありがとうございます♪

7月に突入しましたね。
まだまだ梅雨の明ける気配もないですが、いかがお過ごしですか?

先日より連載開始の「大宮」、更新いたします。

気象系大宮が腐ってて18禁です。
大丈夫な方のみ、お進み下さいませm(__)m
前話はこちら→「4.脱出ゲーム」



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Side N



冷静に考えたら、デジタルの世界に入り込むなんてこと起こるはずないんだよ。ファンタジー小説じゃあるまいし。
と、頭の片隅では思うのに、さっき自分の目で見た光景は忘れられない。
握っていたドアノブに、ちゃんと確かな金属の感覚があったんだ。少し力を入れて押し下げた時の、掌に伝わる中のバネの動きとか。
ネジで固定されてたのも見たし、ずっと目線を外すこともなかったのに、それが目の前で端から跡形もなく消えていったんだよ。

夢でも見てるのかな・・・とも思ったよ。
でもじゃあ、一体どこから夢なのよ。
リーダーとエッチした後、実は倉庫で寝ちゃってる?それとも着替える前に、楽屋で?そもそも朝起きて家を出てテレビ局に来たと思ってるのが夢で、まだオレは自分の部屋にいて自分のベッドの上で寝てるの?

***

どれもあり得ないことには変わりがないけど、こうして色々考えだけ巡らせていたって一向に目が覚める気配がないし、じゃあいっそのこと、ってこの部屋のベッドで寝てしまえるほど図太くもない。
何かしてないと落ち着かなくてオレはまた、部屋の中を歩き回った。

閉じ込められたと分かった人間がまず初めにすることと言えば・・・オレがやろうとしたように、外に助けを求めること。
そのためにカーテンを開けたら、丸い紙が降って来た・・・。
ということは、やっぱりまずはこの形と数探しからってことだ。
リーダーは何してるかなって思ってベッドの方を見てみると、彼はスチールラックがある方とは反対のベッドサイドに来ていた。

ベッドに仰向けに寝れば右手側。その頭側の壁に、作り付けのクローゼットがある。
リーダーの肩から何やってるのか手元を覗きこむ。彼は唇をつんと尖らせて器用な指先で何かしていた。
「何か見つけた?」
「ん・・・このクローゼット、針金でぐるぐる巻きに固定して開かなくしてある。」
「無理に外そうとすると危ないよ。それに、そういうのは無理には外れないことになってる。」
「そうなの?」
ゲームの中では、こういうのを外すのは器用な指先でも強い力でもない。
ペンチの刃だ。

「この部屋のどこかにペンチがあるはずなんだ。だけどただ単にどこかに置いてあるってことは多分なくて・・・形と数を揃えないといけないんだと思う。」
「えー、そういうのおいら苦手だなぁ。カ・・・ニノはそういう遊び好きじゃん。」
「今カズって呼ぼうとしたでしょ。気を付けてってば。」
「ごめん。カメラもマイクも見えないから、つい。じゃ、おれあっちの棚を探すわ。」

確かに、一見してマイクもカメラも見えない、こんな日常的な部屋にいると普段休日を二人で過ごしているみたいな気になってくる。真っ赤な壁や床や天井にも、はっきり言ってもう慣れちゃったし。
でも油断は禁物だ。探し物をしながら一緒に隠し撮りされてないかも探らないとならないし、それらがないってことが判明するまでは別々の場所にいて、会話をしない方がいいかも知れない。
オレは、リーダーが向かったスチールラックとは対角線に位置する本棚に向かった。

目の前の本から一冊ずつ手に取ってパラパラとページを捲ってみる。
古い本だ。挿絵もなく全部英語でびっちり書かれてあって、何が何やら分からない。
隣の本もその隣も。とりあえず一段全部見てみたけどどれも同じような洋書で、お目当ての紙が挟まっているとかメモが挟まっているとか、表紙の裏に何か書かれてあるなんてこともなかった。
・・・とすると、多分・・・。
オレは一冊本を抜いて、できた隙間に左手を差し込み、何冊かあけて右手も同じようにして差し込んだ。そのまま両手の間にある数冊の本をぐっと挟んで本棚から抜き取る。
「やっぱり。」
本がなくなって見えるようになった棚の背板に、黒い線の一部が見えた。
それが全部見えるようになるまで本を抜き取って見ると、今度は紙ではなく本棚の背板に直接、ひし形とその中に『8』の数字が書かれていた。
他にもヒントがあるかも知れないけど、ひとまずはこれでいい。
なのでオレは一旦本棚を離れ、カーテンの下のチェストに目を移した。

同じローチェストが二つ並んでいる。右の端の扉から順番に開けていくけど、中には何も入っていない。
右側のチェストを調べ終えそうになった時、一番下の引き出しを開けたらコロコロと奥から何か転がって来た。
電池だ。単4かな?一個だけだけど後で何かに使えるかもしれない。
オレは電池をズボンのポケットにしまった。

今度は左のチェスト。右のと同じように、端の扉から開ける。
するとこっちのチェストには、いきなり何か仕掛けがあるのを見つけた。
開けた扉の中が、金庫みたいになっている。
鍵穴はない。代わりに、一辺が5センチくらいあるでっかい四角い黒いパネルというかボタンというかが、横に4列縦に2段、合わせて8つ並んでいた。
試しに一番左上のを押してみる。すると、カチッと手ごたえがあってほどなくして、ひし形のマークが浮かび上がった。
これだ!
自分が考えていたことが正しかったことが分かって、なんかウキウキする。
続けてひし形の下のボタンも押すと、同じようにして『1』という数字が浮かんできた。
ひし形の隣は丸。その隣はハート型だった。とすると、一番右は、正方形のはず。
「当たり、だ。」

これまでに見つけた形と数は、丸に3、四角に5、ひし形に8。これと金庫のボタンが一致するとなると、もう一つ形と数が必要だってことだ。
「ハート、ハート・・・」
同じ家具には隠されてないだろうなと思いながらも、一応金庫の入ってるチェストの引き出しを開けてみる。
案の定、ここにはもう何もない。
視線を上げると、白いドアのついている壁側に置かれたサイドボードが目に入った。
これさっき、最初にリーダーが見てたよな、確か。
「ねぇリーダー、このサイドボード、さっき見た時何かあった?」
振り返ってスチールラックを捜索中のはずのリーダーに問いかける。

彼は、上段に置かれた水槽の中にいる小さな熱帯魚たちに餌をやっていた。
思わず笑いがこぼれる。
「はは、何やってんの?」
切羽詰まったこんな状況なのに、リーダーはホントに呑気な人だ。
普通だったら『こんな時に何やってんの!真面目にやってよ!』って怒るもんなのかも知れないけど。もう長い付き合いのオレたちは、ここが怒るところじゃないって知ってる。
「餌があったからやってるんだけどさ・・・こいつら全然食べないんだよ。」
「お腹減ってないんじゃない?」
「そっか。」

オレたちがデビューしてから今までに、今日この時以上に切羽詰まったことなんて何度もあって。
その都度乗り越えてこられたのは、他でもないこの人の懐の広さのおかげだったんだから。


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2015.07.02 Thu l 大宮 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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