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「太陽と、月のあいだ。」
更新いたします。

一つ前のお話はコチラ→『太陽と、月のあいだ。-68-』



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久しぶりに船に乗って、大海原へ出た。
シリウス号に転がり込むまでは船になんて乗ったこともない人生だったのに、こうして波に揺られている方が落ち着くような気がするんだから、不思議だ。

あの後シンさんと船長とでしばらく今後の針路について話し合った後、船はイトゥーリの港へ向かうことに決まった。
ギルド本部に身を寄せていたのはシリウス号の修理のためだったけど、他に目的のないオレと違って船長は、あそこで他の海賊団の船長たちと情報交換をしたりしていたらしい。
そこから得た情報によると、数百年前に行方不明になったとある民族の秘宝が、近々イトゥーリの街で競売に掛けられるらしいとかで、それを狙いに行くのだそうだ。

オレがこの船に乗ってから、そんな風にしてお宝を目指して航海するって初めてで、ちょっとドキドキする。



***



食事の後もシンさんはすぐ航海室に上がってしまったけれど、珍しく船長が食堂でお酒を飲んでいたので、オレのことまだ船に置いてくれるんですか、って思い切って聞いてみた。
そしたら船長は、
「確かにな、同じ間違いは二度と起こさねえ方がいいが、このくらいで破門にしてたら船員がいくらいても足りやしねえよ。」
と言ってはっはっはと豪快に笑った。
「ハヤテなんか、昔はもっと酷かった。まったく血の気が多くて困ったガキさ。海賊だけじゃねえ、気が付きゃそこらのゴロツキに絡んでやがるんだからな。」
「ちょ、船長!昔の話じゃないですか!」
「昔の話でてめえが今生きてるから笑い話にできるんじゃねえか。この俺が、何度てめえのケツ拭かされてきたと思ってやがるんだ。」
「あー・・・うーん・・・ごめんなさい。」
「ナギだってそうさ。こう見えてこいつはな、普段はおとなしい癖に料理のこととなるとまるっきり人格が変わっちまうから、どこだかの宮廷料理人と道端で喧嘩をおっぱじめやがって、それで海軍にしょっぴかれてどっかの支部に討ち入ったこともあったな。」
「・・・勘弁して下さい。」
「とまあ、この船には俺に尻拭いしてもらいたい連中ばかり乗ってるんだ。気にするな、とまでは言わねえが、もちっと気楽にやれ。」
「・・・ありがとうございます。」

さすが、海賊王だなぁ。
みんなが船長のこと尊敬するの、当たり前だ。
当たり前なんだけど・・・オレはみんなに迷惑をかけた罰として、十日間張り番の刑を言い渡されてしまった。

オレはそれを甘んじて受け入れた。
逆にみんなのために何かしないと、この先も呑気に船に乗っていられないから丁度よかった。

見張り台から見る景色、実はオレ、結構好きだな。
今夜は空気が澄んで晴れているし、月も出ていないのに星の光だけでこんなにも明るい。
こうして柵に凭れて上を見上げると、まるで星の海に浮いているみたい。

初めてシンさんと一緒に張り番をした時のことは緊張していてあまりよく覚えていないけど、でもとても寒い夜で、シンさんが後ろから毛布ぐるみ抱きしめてくれたのは覚えてる。
その時の暖かさを思い出して、それと一緒に森での出来事も思い出した。

あの時シンさん・・・オレに何をしようとしていたんだろう。
こんなこと考えても勘違いするだけなら、考えない方がいいことは分かってる。
でも・・・と、心の中のもう一人のオレが口ごたえをする。
どうせ勘違いなら、幸せな方がいいじゃん、って。
シンさんはあの時、オレに口づけようとしてくれてたんじゃないかなって。

でも本当に勘違いだった時、哀しくなるのは嫌なんだよ。
だからやっぱり、そうは思わないことにする。
自分のこと意気地なしだって、分かってるよ。

目印の星が拳一つ分動いたらだいたい一時間。
シンさんが張り番の時にそうしているように、オレも一時間ごとに見る方角を変えている。
そうして東の方角を向いた時、マストを誰かが登ってくるのが目に入った。

誰かなんて目を凝らさなくても分かる。
「色々あったから今頃居眠りでもしているんじゃないかと思ってな。」
そんな意地悪なことを言いながら現れのはシンさんだ。
彼はスルスルと、あっという間にマストを登ってきてオレの隣に腰を下ろした。

「罰なのに、居眠りなんてしませんよ・・・」
「フン、どうだか。初めて一緒に寝た時だって、大いびきで寝ていやがったじゃねぇか。」
「それは・・・ごめんなさい。」
寝ている時のことは当然ながら覚えてないから否定もできない。だから素直に謝った。
「ははっ、謝ってばかりだな、お前は。」
シンさんが、思わず、と言った感じに笑った。シンさんはだいたいいつも難しい顔ばかりしているけれど、こうして笑うとすごく親しみやすい雰囲気になる。
それがとても嬉しくて、オレは喋り続ける。

「船長に、オレのことまだ船に置いてくれるんですか、って聞いたら、ハヤテさんやナギさんの昔のこと教えてくれました。船長って、ホントに懐の広いスゴイ人ですね。オレが前に働いてた酒場のオーナーだったら、絶対クビにされてましたよ。」
「そうか。お前、イカルガでは酒場で働いていたんだったか。ちゃんと勤まってたのか?」
「失礼な。一生懸命働いてましたよ・・・」
「ハッ、怪しいもんだ。そもそも初めて出会った時、酔っ払いに絡まれてたじゃねえか。厄介ごとばかり拾ってたんじゃねえのか?」
「あ、シンさんやっぱり覚えててくれてたんですね。知りませんよこんなガキ、なんて言ってたのに。」
「クソ、口が滑った。」
「あははっ、シンさんでも口が滑るってことあるんですね!」

こうして生きて帰ってきて、まだシリウス号に身を置かせてもらえて、シンさんと軽口をたたき合ってるだなんて夢みたいだ。


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2015.05.31 Sun l 恋に落ちた海賊王 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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