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今、シリウスの皆と別れてヤマトへ帰り、これまで通り世間一般の民間人として暮らすか。
それとも共に行くことを選んで、海賊になるか・・・。

ザクセンさんは、『それで一生を棒に振るのは、頭のいい考えとは思えない』って言った。

オレは自分のことを、頭がいいとは思ってない。
だから別に、この人に頭が悪いと思われたってオレは構わない。
ヤマトへ帰ったって実家は貧乏で財産があるわけでもない。学もない。新しい勤め先が見つかったって、死ぬまで奉公人のまま終わるのが関の山だ。結婚して家庭を持てるかどうかすら分からない。
どうせそうやって一生を棒に振るなら、オレはオレの振りたいように振るよ。

「オレは―――――」

ザクセンさんにそう伝えようと思って口を開きかけた時、店の外で何かが破裂するようなもの凄い音が聞こえて来た。

「何だ?!」
ザクセンさんが振り返って立ち上がると、丁度店のドアが開いて外に立っていた部下達がなだれ込んで来た。

「中将!先の通りで何かが爆発し民家が被害を受けた模様です!我々はそちらへ向かいます!」

爆発?!

「分かった。」

ザクセンさん達がそんな会話をしている間にも、続けざまに同じような爆発の音が遠ざかりながら聞こえて来て、また部下の一人が駆けこんで来た。

「中将、本部へお戻り下さい。革命派達の仕業かも知れません。本部へ近付いているようです!」
「分かった、すぐ戻る。」

そして茫然と見上げているオレを、ゆっくりと振り返ってザクセンさんは言った。

「ヤマトへ帰るなら、今夜半、この店の前で待て。もし来なければ、我々は君を海賊と見なす。」
そして、オレの返事を待たずに表へと出て行った。



オレ、助かった・・・のか・・・?
ふぅっと息をつくと、今まで全身に入っていた力が抜けて行くのが分かった。

革命派の仕業かも、と言っていたな。
爆発なんて物騒だし被害を受けたと言う民家のことが気になるけれど、おかげで助かった。

騒ぎの声や物音が遠ざかって行き、やがて店内は静けさを取り戻した。
その頃になってやっとオレの脚にも立ち上がる力が戻って来て、よっこらしょ、と腰を上げると、店主が引っ込んで行った店の奥から店主と、なんとシンさんが現れた。

「シ、シンさん・・・!」

シンさんは怒ったような困ったような顔で、何も言わずひらりとカウンターを跳び越えるとまっすぐオレの所へやって来て、オレをぎゅっと抱きしめた。

え・・・?!

「シンさ・・・」
「黙っていろ。」

怒鳴られるとか殴られるならともかく、何でオレはシンさんに抱き締められているんだろう。
分からないけど、シンさんの腕の中は暖かくて、安心する。

だけど、いつもはふわりと香る花の匂いの代わりにずいぶんとほこりっぽくて、シンさんがはぁはぁと肩で息をついている。

「もしかして、シンさんが助けてくれたんですか?」
「俺だけじゃない。彼が人を使って知らせてくれたからだ。」

言いながらシンさんが身体を離してくれたので店主の方を見ると、彼はにこにこと笑いながら頷いていた。
「なぁに、昔のよしみでさぁ。」
「もしかして、ギルドの方ですか?」
オレが尋ねると、店主は声をたてて笑った。
「似たようなもんだねぇ。キャプテンには世話になったからねぇ。」
「キャプテンって、リュウガ船長のことですか?」
「それはどうかねぇ・・・小僧が思う通りでいいよ。隻眼の、宿は引き払った方がいいねぇ。」
「分かっている。礼を言う。では。」

シンさんが身を翻してドアへ向かったので、オレも慌てて店主に礼を言うと、後に続いた。

一体何がどうなっているのかさっぱり分からなかったが、考えるのは後だ。


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2014.07.19 Sat l 恋に落ちた海賊王 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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