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オレは、通信局から少し路地を入った所にある、こじんまりとした酒場のような所に連れて来られた。
オレをさらった男たちは、今は店先で誰も入って来られないように立っている。

店主も、お茶を出したら人払いされて奥に行ってしまい、店の中には誰もいなくなった。

オレと、オレの目の前に座る海軍のお偉いさんと思しき人以外は。
「先程は、私の部下が手荒な真似をしてすまなかった。ミナトくん・・・と言ったか?」
「はぁ・・・あの、あなたは?」
「申し遅れた。私は海軍中将、クラウス・フォン・ザクセン。単刀直入に言おう。ミナトくん、キミはどうしてシリウスの連中と一緒にいるんだ?」

威圧的、だ。
この人、ザクセンさんの印象を一言で言うならば。

オレに、有無を言わせない圧力を持っている。

「あの・・・」

ここギッデルンは、海軍本部のお膝元。
今いる賑やかな港町の反対側には、この人たちが詰めている本部がある。だから、ここに海軍の軍人がいることになんら不思議はない。
つまり、宿屋までハヤテさんに負ぶわれて来たオレを見られていたとしても仕方がない。

だけど、文字通りくっついて一緒にいたのはハヤテさんだけだ。
ぞろぞろ連れだって来た訳じゃないし、船長とシンさんは途中で別れたのだから宿屋にすら立ち寄っていないはずだ。

ということは、この人たちはそもそもハヤテさんがシリウスの一員だと言うことを知っている、ということになる。

そのハヤテさんと一緒にいたことを、認めてしまっていいんだろうか。
滞在中の宿屋を押さえられているということは、そこにもし全員揃っている時に踏み込まれたら一網打尽ということだ。

オレの一言で、シリウスの命運を左右する、なんてことになったら、申し訳が立たないどころのハナシじゃない。
死んでお詫びをしても足りないくらいだ。

だけど目の前のこの人は、できることなら刺し貫いても構わない、と言う程の鋭い眼光でオレを見つめている。
何を言ったらいいのか、あるいは何を言ってはいけないのか、まったく分からないまま時間だけが過ぎて行って、背中をつぅっと冷たい汗が一筋流れて行ったのを感じた時に、ザクセンさんがまた口を開いた。

「私は海軍の人間だ。シリウスの連中の顔は見知っている。ミナトくんに今すぐ連中の居所を吐かせて捕らえようというんじゃない。」
「・・・」
「私が尋ねたいのは、なぜ君が、海賊と一緒にいるのか、ということだ。君は海賊ではないだろう?」
「あぁ・・・えっと・・・」

射るような眼差しで見つめられ続けるうち、頭の中がボンヤリしてきた。
オレがシリウスに身を寄せることになったいきさつは嘘ではないから、とりあえずそこだけは説明できた。

「なるほど、そんなことがあったのか。それならば仕方ないな。」
「はぁ・・・」
「しかしそうなると、新たな疑問が生じる訳だが、答えて頂けるかな?」
「・・・」

「なぜ君は、いつまでも連中と一緒にいる?ここは海軍本部を擁する大陸の首都、ギッデルンだ。そのような経緯で彼らと行を共にしていたのなら、すぐにでも連中と別れて君はヤマトへ帰る船に乗るのが道理だと思うが?」
「えーと・・・」

この人の発する言葉はいちいち難しいな。
要はつまり、仕方なく乗せてもらっていたのなら、ここから船に乗ってヤマトに帰ればいいんじゃないの?ってことか?

「体調を崩していますし、お、お金がありません。」
「なるほど・・・ではこれならどうか?我が軍の軍艦でヤマトまで君を送って行こう。」

ああ、シンさん・・・何て返事すればいいですか・・・?


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2014.07.05 Sat l 恋に落ちた海賊王 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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